桂枝雀。
落語家の故・桂枝雀の特番を五時間ぶっ通しで観た事がある。
番組で枝雀師匠は「時うどん」をこう解説した。「二人組でおって相方に「月が綺麗。」と、言われて見る場合。(月を)直接見るのは不正解。一旦、相方の方を向いてから見上げると正解。第三者を間に入れると想像できる。」さらに「落語とは約束と想像の世界である。」と続けた。
桂枝雀は卓越した理論と表現力を兼ね備えたエンターティナーだった。
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2024年05月20日 Posted by さわでぃ at 08:45 │Comments(0) │演芸
紙屋悦子の青春。
知人から時空劇場の舞台「紙屋悦子の青春」が収録されたビデオを借りたので観た。
この作品を有名にしたのが映画だが元々は舞台である。何気ない会話から溢れる愛情が切なかった。
内田淳子の神々しいまでの美しさ。
金替康博の面白さ。
亀岡寿行の男前ぶり。
つじみなこの健気さ。
全てが光り輝いていた。
余談だが悦子の兄役の西田聖さんは現在舞台監督をされているが、西田さんの奥さんには私が出演した舞台で音響をして頂いた事がある。
演劇界は狭い。
2024年05月19日 Posted by さわでぃ at 00:00 │Comments(0) │演劇
映画『リトル・ミス・サンシャイン』から。
世界のアベサダ。
阿部定をテーマにした大島渚の映画「愛のコリーダ」と田中登の日活ロマンポルノ「実録阿部定」では「実録」の方が抜群に面白かった。
「実録」は脚本のいどあきおの才能による所が大きい。「コリーダ」は修正されまくった公開版と修正が緩やかな「愛のコリーダ2000」を観たが、話題の割にはドラマが平板だった。
他にも大島渚は新選組と同性愛を扱った「御法度」やチンパンジーと人間の愛を描いた「マックス、モン・アムール」を撮った。
男と女、男と男、人間と動物。
大島渚作品は話題先行の面が否めない。
話は脱線するが、ロマンポルノは70年代で終わるべきだった。80年代に根岸吉太郎、池田敏春、相米慎二らとの契約を切った時点で終わっていた。スタートからして組合出身の会社幹部は「ポルノ路線」を嫌っていた上に「ポルノ」で稼いだ金を大作映画「戦争と人間」に注ぎ込み最後は放漫経営で会社を倒産させた。
「ロマンポルノ」は思いつきで始めて思いつきで終わった。
2024年05月17日 Posted by さわでぃ at 00:00 │Comments(0) │邦画
ギルバート・グレイプ。
レオナルド・ディカプリオと言えば映画『ギルバート・グレイプ』が好きだ。
自閉症の弟を演じたレオナルド・ディカプリオは本作品ではオスカーを逃がしたが「オスカーにふさわしい。」と、言って良い演技だった。デニス・ホッパーも同様の発言をしていた。
ディカプリオは自閉症の人との交流を通じて演技を深いものにした。外見的なかっこよさが目に映りがちだが、彼の俳優としての本質はこの作品にあると言っても過言ではない